私たちが向き合うのは「AI」ではなく、現場の「困りごと」です。全社的な業務・ワークフローのDX化推進と働き方改革の支援、そして生成AIをはじめとする新しい技術の研究・導入を行うお仕事ですが、AIはあくまで手段のひとつ。課題によっては、仕組みの見直しやアナログな工夫が最適解になることもあります。大切にしているのは、現場と一緒に汗をかき、最後までやり遂げること。攻めのAX(AIトランスフォーメーション)と、それを支える守りのガバナンス。その両輪でTBSの変革を推進しています。
現場と共に進めるAX
ドラマのVFX制作への映像生成AIの本格活用や、生成AIが放送前のテロップを自動チェックするシステムの開発など、AIを実際の番組制作ワークフローに組み込む取り組みを次々と進めています。国内外のAI企業やクラウドベンダーとも直接連携し、テレビ局の制作現場という「本番環境」でAIを使いこなすノウハウを日々蓄積しています。
ただし、ツールを導入して終わりではありません。報道・ドラマ・バラエティなど、あらゆる制作現場に自ら足を運び、業務の流れを理解し、現場の人たちが「自分の道具」として使いこなせるようになるまで泥臭く伴走する。それが私たちのスタイルです。
全社AI活用の推進とガバナンス
2023年にスタートした全社AI活用プロジェクトを母体に、経営層から制作現場までが一体となったAI推進・ガバナンス体制を構築・運用しています。生成AIの利用ガイドラインの整備、著作権や情報セキュリティのリスク管理、社員のAI活用支援まで、現場が「安心して新しいことに挑戦できる」土台づくりも私たちの大事な役割です。
社内DX推進
社内にある様々な業務を効率化することで、多くの人たちを「無駄な作業」から解放し、より「クリエイティブな仕事」に没頭できる環境を提供しています。たとえば番組制作現場では、タブレットや電子カンペの導入により放送用原稿などを大幅削減(1回の放送あたり約5〜6割の紙削減)。番組制作部門からビジネス部門・コーポレート部門まで、あらゆるセクションのお困りごとに向き合い、時にはデジタルで、時にはアナログな知恵も総動員して解決しています。
そして、こうした取り組みをTBS全体、さらにはJNN(TBSをキー局とする系列28社)へ広げていくことを目指しています。技術の流行を追いかけるのではなく、現場の課題から出発する。その積み重ねの先に、テレビの未来があると信じています。
配信・データ活用
動画配信
テレビ番組の視聴スタイルの変化に伴い、TBSでも動画配信に注力しています。現在、民放公式テレビ配信サービス「TVer」や、TBS独自の無料配信プラットフォーム「TBS FREE」を運用しています。

私たちは単にコンテンツを届けるだけでなく、配信における広告効果を最大化するため、独自のペーシングロジック(※配信期間内で広告を最適に分配して流すアルゴリズム)などを組み込んだ高機能広告サーバーをパートナー企業とジョイントベンチャーを設立して開発するなど、テクノロジーを直接的な「稼ぐ力」に変える開発に挑んでいます。
また、テクノロジーをビジネス変革へと繋ぐ、「シーンマッチ広告」を開発しました。 生成AIを活用し、配信されるドラマやバラエティの映像シーンを自動解析します。「自動車が登場するシーン」や「メイクをするシーン」などの文脈(コンテキスト)をAIが自動認識し、そのシーンに合致した自動車や化粧品のCMを、最も相応しいタイミングで自動挿入・配信します。視聴体験を損なうことなく、広告主のブランド価値と売上を最大化する、AIとメディアが融合した次世代の広告体験を提供しています。
データ活用
配信や会員から得られるビッグデータを宝の持ち腐れにしないため、全社データ基盤「TBS-DMP」を構築・運用しています。 どういう年代・性別の視聴者が、いつ、どのデバイスで、どの番組を視聴しているのか。膨大な配信視聴データをグラフィカルに可視化し、社内で「誰でも、直感的に」分析・活用できるデータマネジメントプラットフォームとして公開。これまでの勘や経験だけに頼るのではなく、データに基づく精緻な「今後の配信・マーケティング戦略の立案」や「次のヒット番組の制作」に加え、データを徹底的に活用した「広告単価/広告売上の最大化」にもダイレクトに活かしています。
NEWSDIG
2022年4月にJNN系列28局を統合して誕生した新しいニュースメディア「TBS NEWS DIG Powered by JNN」は、2026年6月には過去最高の3.76億PV、5,400万ユーザーを突破し、成長を続けています。

TBS NEWS DIGアプリでは、放送という一方向のメディアでは難しかった「個人の居場所(GPS位置情報)」に合わせたピンポイントな防災気象情報や、市区町村ごとのリアルタイムな停電・交通情報の配信などを実現。JNNが誇る圧倒的な報道アセットと、最先端のクラウド技術を掛け合わせることで、人々の日常に優しく寄り添い、いざという時に命を守る「防災・ニュースインフラ」を社会実装しています。
また、TBS NEWS DIGの強みである「防災・天気」の裏側では、高度な防災AXシステムが24時間稼働しています。気象庁から秒単位で送られてくる膨大な地震、台風、線状降水帯などの気象データ電文を、Google Cloud上のシステムがリアルタイムに解析。発生からわずか1分で、自動的に「警戒レベルに合わせた災害原稿」と「被災地にフォーカスした地図サムネイル画像」を生成し、人間の手を介さずに瞬時に自動記事を配信・プッシュ通知を行う、社会的使命を帯びた自律型システムを構築しています。
関連動画
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