手作りフリップ(2020年12月27日放送)
「世界に拡大?コロナ変異種とは」
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イギリスで確認された新型コロナの「変異種」によって感染力が70%増加したといわれていますが、それはこのとげの部分「スパイクタンパク質」で「変異」が起きたためだと考えられています。

「スパイクタンパク質」は体内に入ったウイルスが、ACE2受容体と呼ばれる人の細胞と結びつく部分で、感染の要ともいえる役割を果たしています。
変異種は、「スパイクタンパク質」がACE2受容体と結合する力が、これまでよりも強く、感染力が増加したと考えられているのです。

変異による子どもへの感染拡大が心配されます。
子どもは、ACE2受容体が大人よりも少ないため、感染リスクが低いと考えられていましたが、この変異によって「大人同様に感染リスクが高まるのではないか?」と懸念されているのです。
また感染者が急増している南アフリカでも変異種が確認されています。
南アフリカでは12月に入り、7月の第一波に迫る勢いで感染者が急増していますが、やはりスパイクタンパク質で変異は起きていて、新規感染者の8割から9割が変異種だといいます。

変異種の登場で、新型コロナの脅威が一層、高まったようにも見えますが、一方でウイルスにとって「変異」は、特別なことではありません。
実は日本でもウイルスの「変異」が起きていました。
今年1月に日本で初めて確認されたのが、いわゆる中国「武漢型」のウイルスです。
続いて、第一波の途中の3月中旬ごろから「ヨーロッパ型」のウイルスが全国に広がり、「武漢型」は駆逐されていきます。

5月から6月にかけて、感染拡大がおさまったように思われたこの時期、実はヨーロッパ型が国内で変異し、2系統のウイルスが誕生したと考えられています。
このウイルスは無症状感染者の間で、見えない感染を繋ぐ中、変異が起きたもので、この2系統によって第2波、第3波への、感染拡大につながったとみられています。

さてウイルスの変異によって心配されるのが、ワクチンの有効性ですが、アメリカのファイザーとワクチンを共同開発した、ドイツの製薬会社は、「変異種にも効く可能性が高い」と述べ、仮に効果がなくとも「6週間以内に変異種に対応したワクチンを提供できる」と説明しています。
一方、日本政府はきのう、明日28日から来月末まで、全世界からの新規の入国を、停止することを決めました。コロナとの戦いは、新たな段階に入るのでしょうか?
