手作りフリップ(2021年11月7日放送)
「コロナ第5波 収束の背景に何が?」
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日本の新規陽性者の激減について注目します。
全国の推移を改めて見ると、直近の第5波では、8月にはぐっと増え2万5990人と過去最多を記録。
ただその後に激減し、きのうは241人と、ピーク時の100分の1以下となりました。

ナゼここまで減ったのか?
マスク効果・ワクチン接種など様々な要因が言われていますが、その要因の一つとして『コロナウイルス自体が自滅したのでは?』という仮説が専門家より出されました。
国立遺伝学研究所と新潟大学が共同発表したものですが、第5波のピーク前から収束までの間に感染した、ほぼ全ての人のコロナウイルスにnsp14という酵素に変化があったことがわかりました。

そもそもデルタ株などウイルスは入り込んだ人間の細胞で自分の遺伝情報をコピーし増えていきます。
しかし時々コピーミスを起こします。AAをABと間違ってしまうなどです。 そこで重要なのがnsp14という酵素。コピーミスを修復する力があるんですが今回の仮説は、この酵素に変化が起きたため、修復する力が弱くなってしまったというのです。
そして間違った複製が多くなると、ウイルス自体のバランスが崩れ、増殖する力が無くなって自滅してしまう…そういう自滅のプロセスが起きたことが第5波の収束に影響しているのではないかという仮説なのです。

しかし弱くなったウイルスがナゼ広がるのかについては、感染してから自滅プロセスに移る直前に、感染が広がった可能性もあると言うことですが、従来のウイルスに置き換わって主流になった理由は、ハッキリしないといいます。
ちなみにこの酵素に変化が起きて広がったのは、島国で、かつ今年1月から外国人の新規入国を、原則停止していて、ある種、閉ざされている状態の日本国内だけに見られる現象と考えられます。

まだ仮説の一つにすぎませんので、安心できる状態ではありません。
というのも世界では、WHOが新規感染者がおよそ2か月ぶりに増加に転じたと発表。 テドロス事務局長も「パンデミックの収束にはほど遠い」とまで発言しています。 国立遺伝学研究所の井ノ上教授は、『海外ではまだ感染拡大している国もある。
第6波を防ぐためには、しっかりとした入国管理・検疫がとても重要』と、水際対策の重要性を改めて指摘しています。