8話感想
【美穂子が4人へ告発犯であり谷原の事故の犯人だった】ということで解決。ではなかったですね。
美穂子もまた広沢に振り回されていた一人。
全くの善人である広沢が、他人への思い遣りと気遣いのため自己を隠していたことで、逆に招いてしまった誤解や相手の不安がどれほど大きいか分かってきました。皮肉ですね。
今の時代、隣の住人や毎日挨拶する同僚の素性すら知らなくても、何の支障もなく生活してしまうことが多いです。そういう無関係者ならまだしも、大切な友人、果ては家族のことまでよく理解していなかった自分に気づきます。
身近な人の内面を知らないことは罪なのだろうか?
他人より自分を守ってしまうことは悪なのだろうか?
また悩みました。
谷原が美穂子に何気なく言った無神経な言葉も、陰では命を懸けて守ってきた家族への愛情を見れば、心から出た言葉ではなかったと思うが、
受け取る人間側の気持ちで、【悪意】と【気遣い】両極端に変わってしまうのが言葉の怖さですね。
彼ら4人と小笠原は、広沢のことを知ろうと動くたびに、実は自分自身を知る事になる展開ですね。
これまで卑屈で自信の無かった自分達が居たことを改めて知る事になる。
広沢の存在にちょっと神的なものさえ感じました。
彼は直接的に誰かに働きかけなくても、自分の死を持って、関わった人達への自主的な贖罪や改めて脚下照顧を促しているような気さえしてしまいました。
当時、誰かナビ役として同乗できなかったものかと疑問は残りますが、酒を飲んだ広沢一人を運転させてしまったことは消せない事実であり列記とした罪でもあると思います。そこに親密度の微妙な駆け引きが見えてきました。
ともあれ、どうやら真犯人が出てきそうなので、彼らの将来にいつか光が射して、自分の人生を一から歩むつもりで明るく未来のために頑張る姿が観たいと心から願うばかりです。