松坂慶子さん インタビュー
- 真知子は“情”のある人だから
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家族のお話なので、脚本には家族のいろいろな気持ちが描かれているんですね。そこにはユーモアもあって、何か問題が起こっても前向きに乗り越えていく。明るくて楽しくて、そして切なさもある。そんなところがとても好きです。
プロデューサーの石井ふく子先生は93歳でいらっしゃいますが、いつもリハーサルや撮影を少し離れたところから見守っていてくださるんです。「慶子ちゃん、ここはこうした方が母と娘らしさが出るわよ」とアドバイスをいただいたり、私が好きなお菓子を覚えていて差し入れしてくださったり。大切なことをしっかりと見ていて、そして温かいお心で接してくださる。本当にありがとうございますという気持ちです。
先生が最初に言ってくださった「真知子さんは“情”のある人だから」という言葉を、私はいつも思いながら演じました。Loading… - 家族を育てるお母さん役
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真知子さんは素敵な専業主婦です。私もこんなふうになりたいなって思いましたね。朝はお父さんは和食、娘と自分は洋食で用意して、日々の繰り返しというものを大事に、家をいつも家族が心安らぐ場所にしているんです。
お父さんのことも娘のことも大好きで、生活を紡ぎながら大好きな家族を育てていっているんでしょうね。今後の私の生活にも参考にさせてもらうことがいっぱいある女性です。 - 夫役の松重豊さんの筋力にびっくり
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夫の俊作さんは誠実で不器用なところがあって、そういう部分を年上女房の真知子さんがかわいいなと思いながら支えているんだと思います。俊作さんに不満を感じても、黙って心にためて急に深刻なことを言い出すのではなく、意外と小出しに言いたいことも言ってね。そういうふうに風通しがよくて、テンポのいい夫婦関係がいいなと思いました。
脚本を読んだ時に、一つだけ心配になったシーンがありました。真知子さんが外で酔っぱらって、帰りに俊作さんにおぶってもらうシーン。撮影前に減量してみたんですが、あまり効果なく当日を迎えてしまって(笑)。でも、松重さんは軽々とおぶってくださって、おろす時も私の足がちゃんと地面に着くまでゆっくりと。あんなにスマートな体なのに、筋力がすごくてびっくりしました。ますますお父さんのことが好きになりました!Loading… - 輝きを増した宮﨑あおいさん
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あおいちゃんとは大河ドラマ『篤姫』でご一緒しましたが、20歳になったばかりなのに何事も正面から堂々と受けとめて、すごいな、けなげだなって思いました。今回12年ぶりにお会いしたら、ますます芯が強くなられて、それに何かとてもお幸せそう。さらに輝きを増していて、うれしく思いました。
あおいちゃん演じる理紗が結婚する前に、二人でお布団を並べて母と娘で過ごすシーンがあるんです。娘といってももう大人なのに、まるで幼稚園とか小学生の子どもにかえったみたいな感じで……。そのシーンが私はとても好きです。