俺の家の話

レポート REPORT

2021.3.12 スタジオセット、
小物のこだわり

第7話ラストシーンで寿一とさくらの間に幸せのゴングが鳴り響いたかと思いきや、今度は観山家の家族内でデスマッチのゴングが鳴り響いた第8話、みなさん、ご覧いただけたでしょうか。

寿一とさくらの関係がばれてしまい、家に寄り付かなくなった踊介。O.S.Dの浮気から飛び火し、寿三郎の浮気まで問い詰めた舞も家に来なくなります。そして寿限無まで家を出ていき……。そんな寂しくなった観山家ですが、人数が少なくなるとさらに目につきやすい!家のセットのすごさ、みなさん、気付いていますでしょうか? と、いうことで再び美術さんから観山家のセットについて聞いてきました。まずは観山家の和やかな団らん風景が描かれている居間。

「観山家は日本家屋なので現代建築のような“遊び”はしにくいんです。でも、誰が見ても懐かしいというか、ほっとするような家族の場所を見せたかったんです。例えば電化製品。なるべく昔から使い込んでいるようなものを準備して、おじいちゃんやおばあちゃんの家で見たことがあるような小物をそろえました。あとは昔からご先祖様を奉る仏壇も象徴的に見えるよう設置しています」

確かに寿一たちが家族とワイワイしながら食事をするシーンって、どこかほっとしますよね。昔ながらの石油ストーブを見て、懐かしい!と思った人もいたんじゃないでしょうか?

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そしてお次は稽古場。舞台の背景にある板(鏡板と呼びます)には、立派な松の絵が描かれています。この絵について美術さんにお聞きしたところ、

「本物の能舞台では日本画家の方が顔料を使って描くそうです。でも日本画の顔料を使用してセットに描くわけにはいかず、映像美術の世界で巨匠と言われる方に特別に描いていただきました。巨匠は映画やドラマでも幅広く活躍されている方で、松は3日かけて描いてもらっています。鏡板と一緒に逆サイドにあるふすまの鷹の絵も巨匠には手掛けてもらいました」

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わずか3日であの松の絵を描いてしまうなんて、さすが巨匠です。そしてふすまの絵というのは、オープニングロールで『俺の家の話』の文字が出てくる直前、ばばーんと開くふすまに描かれた絵のこと。こちらも巨匠が描かれたそうです。やっぱり、どこの世界にもプロフェッショナルな方って存在するんですね。

また、7話で泥棒騒ぎともなった能の面(おもて)。本編にもたびたび登場する面の中には、実際に監修の先生からお借りしている本物の面もあるそうです。セット内に飾ってある面は専門店で購入した面ということですが、先生からお借りした面は江戸時代のものなどもあり、値段が付けられないそうです。

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ちなみに第3話でスーパー世阿弥マシンが入場シーンで使っている面についても美術さんに聞いてきました。

「あの面は先生からお借りした面を360度から写真を撮らせていただき、そこから型を取って特注で作りました。眼の部分にはLEDライトを仕込んでいます」

小物ひとつとっても、こだわりぬいて作った美術の数々、本当にすごいです。そして今週は佐藤隆太さんが登場しましたが、次週も脚本の宮藤官九郎さんと長瀬さんとゆかりのある方たちが出演します。3月19日(金)放送の第9話をお見逃しないように!

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