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観測日誌

日曜劇場「流星ワゴン」:最終回 2015年3月22日 日曜よる9時〜放送
by. HomePage STAFF
76. 2015.03.01 Sun. 未練と後悔と本音と本心
健太くんは成仏して生まれ変わることよりも、橋本さんと現世をさまよう道を選びました。向こうに見えた世界はとても優しくて幸せそうだったけれど、だけど橋本さんは居ないんです。橋本さんを一人ぼっちになんてしたくないのか、それとも健太くんが橋本さんと離れたくなかったのか。だけど橋本さんは健太くんに本当に成仏して欲しかったんです。自分のせいで死んでしまって、そこから永遠にさまよい続けることなんてさせてはいけない。自分は一人後悔のドライブを続けることになるかもしれないけれど、健太くんはママに会えたのだから、今度こそちゃんと成仏して、生まれ変わって遠くの世界を見て幸せになって欲しい、それはこころの底からの願いだと思います。
吉岡さん「せめて父親らしいことを、と言ってますけど、やっぱり一人はさびしいですよね。でも健太のことを考えてあげたいと思うと、どうするのが一番なのかな。」
吉岡さんは橋本さんの本当の想い、二人の本当の願い、どうすれば幸せになれるか(幽霊ですけど)を深く深く考えていらっしゃいました。正しい道は成仏させてやること、だけどそうすることで橋本さんが一人になってしまうのならば、それはまた健太くんの未練になってしまうのでは…
写真:76-1
パパは成仏しなくていいの?
夜の峠道、暗がりの中、雪も降ってきました。足取りは重く、監督は見送るまでは橋本さんはなるべく健太くんと近くに並ぶようにと吉岡さんにお願いします。見送るのはつらいけれど、これが最後だと思うと、少しでもそばに居たい、という気持ちの現れです。
写真:76-2
振り向かずに行くんだ
ここで香川さんからひとつ、提案がありました。
香川さん「フリースは置いていったらダメですか?現実が変わらなかったことでぼくの上着は消えてしまったし、忠さんはどんなに寒くても橋本のフリースはこの二人の現世で得た絆だと思って袖を通せなかったし、現世の象徴のようにぼくは思っているんです。」
生霊となって、生と死の狭間にいる忠さんを演じていらっしゃるからこその香川さんの受け止めです。現世の象徴であり、橋本さんたちが「本当の父子」になったという証でもあったフリース。健太くん役の星来くん、ちょっと…どころかものすごく寒いのですけれど、頑張ってくれました!身体の寒さよりも心の寒さのほうが大きいんだから、とただでさえ寒い中、フリースを置いて前へ進んでいきました。
写真:76-3
おそろいだったのに
橋本父子が離れ離れになってしまうことがどうしても納得できなかった忠さん、その場から動けません。健太くんが居る間は二人を見ることが出来なかったのに、行ってしまったあとの暗闇を見て仁王立ちです。
吉岡さん「ここはもう、永田父子の話になっていると思うので、ぼくは離れたほうがいいですよね。」
監督「車に戻りましょう。健太くんを見送ったあと、あまり長くそこにいるのもつらいと思います。」
写真:76-4
納得できない…
父子なんだからどんなになっても離れちゃいけない、そう思って動けなくなっている忠さん。自分と一雄さんがどんなひどい別れをするかなんて、聞いたって信じられない。父と息子がそんな離れかたをすることなんてあっちゃいけないんです。
戻ってきた健太くんに最初に気づいたのは忠さんでした。やっぱり本当の父子はどんなになっても絆は切れることはない。それを目の前で証明してくれた健太くんと橋本さん。きっと一雄さんと忠雄さんだって大丈夫。父と子の絆は切れることがない、そんな確信を持って、一雄さんはもう一度家族と向き合うべく進んでいくことが出来る。離れ離れになって、見えなくなってしまった相手を心配し続けるような未練を残すくらいなら、どんな結末だろうと一緒に居ることを悔やんだりしない。正しい道なのかどうかより、相手を思って自分の想いに正直に。笑顔でいられることがきっと一番の幸せ、どうかすべての家族が笑顔でいられますように。
写真:76-5

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